《君はそのとても苦しい言いわけで自分自身をだませるのかい?》
《誕生日おめでとう きょうも好きでした あしたもきっと好きだと思う》
《この街を出ていく人の行く手にも静かに雨がふるとの予報》
《さよならをあなたの声で聞きたくてあなたと出会う必要がある》
シンプルな言葉だけをつかって、カラフルな気持ちを伝えるマスノ短歌……。
NHK「スタジオパークからこんにちは」の「かんたん短歌塾」コーナーや、女優の加藤あいさんとの共演CMなどで知られる歌人、枡野浩一の短歌集です。
「リミックス・アルバムのような文庫本」や「エッセイまたは小説を短歌と組み合わせた本」を除くと、1999年刊行の『ますの。』(実業之日本社)以来、じつに12年ぶりの新作オリジナル短歌集となります。
ツイッターで発表されて人気の高かった最新作を中心に、新聞や雑誌などに発表された話題作も加え、厳選に厳選を重ねた連作70首。
新鋭イラストレーター、後藤グミによる素朴な手書き文字と清冽なカラーイラストで、縦に縦に読む長い絵巻物のような一冊に仕上げました。
【著者】枡野浩一
1968年東京うまれ。活動の場としてインターネットをいちはやく活用し、若い世代の短歌ブームを牽引。短歌を主役にした青春小説『ショートソング』(集英社文庫)はベストセラーになり、漫画化もされた。短歌入門書『一人で始める短歌入門』(ちくま文庫)がイラストレーター後藤グミとの初コラボ作となる。