『学問の神様』として知られる菅原道真。1万2千を数える『天満宮』、各地の『天神』という地名…。これらも道真を起源として全国各地に存在します。
神になった人物、菅原道真。
時の政権のナンバー2にまで登り詰め、政争に敗れて左遷の憂き目に遭い、失意のうちに亡くなった天才学者は、死後、天の作用を自在に操る「天満大 自在天神」として奉られ、後世には「学問の神様」として広く認知されていきます…。
人が神に進化していく過程にはどんな道筋があったのか。人間・ 道真が歩んだ人生の細道を辿り、ゆかりの地を訪れ、現代に残る痕跡を歩きながら、著者・永冨明郎は想いを巡らせていきます。
「私は題材とする過去の人物と共に歩み、その人物を通してその時代を追体験し、理解する足取りをそのまま文字にすることで、読者の方とともにその時代を学びたい。」(あとがき文中より)
時空を超えたフィールドワークといえる著者のスタンスは、千年以上の時を経た現代の視点を交えて自由な解釈を紡ぎ出します。
「歴史を紀行する」、独自の歴史観をお楽しみください。
※「筆者は前作『武蔵野留魂記=吉田松陰を紀行する』(改訂版)2009刊にて、日本自費出版文化賞(研究・論文部門)に入選」
著者:永冨 明郎
発行所:東洋図書出版株式会社
制作・販売:大村印刷株式会社