ある日、合コンの席で友人に「お前きてるな」と頭頂部を見ながら笑われ、背中がすーっと寒くなりました。
それ以来、薄毛のことが気になり始め、今では何をするのにも対人関係が怖くなってしまいました。
もう恋愛もできない。友人もできない。仕事もできない。できないことだらけでどうやって生きていけばいいのかわかりません。
生きる方法がわからないのです。いい大学に入るために死ぬほど勉強して、両親に楽をさせようと思い一流企業に就職し、たくさん努力をしてやっと社会人として歩む道を作ったのに、ハゲですべての道が閉ざされました。もうどこも歩けません。
男性諸君であれば、多かれ少なかれこのような気持ちを持った方は、いるのではないでしょうか?
ある調査によると、日本の推定薄毛人口は1342万で、成人男性の4人に1人以上が薄毛という計算になります。そのうちの800万人が薄毛であることに悩み、およそ500万人が何かしらの対策を講じているといわれています。
しかし、情報が錯綜する現代においては、薄毛治療に関する様々な通説や俗説が飛び回り、多くの人々が何を信じればよいのか、その判断に迷い、なかなか効果的な対処法を見つけられていないのもまた現実ではないでしょうか。
本書は、10年間で、7000人を超える男性型脱毛症(AGA)患者を治療してきた著者 佐藤明男氏が院長を務めるクリニックをはじめ、実際に治療現場で寄せられた、患者さんたちのお悩み&回答集です。
本書の中では、今話題の「プロペシア」(成分フィナステリド)に関しても詳細に説明がなされております。
プロペシアは、日本皮膚科学会が2010年に発表したAGA診療に関するガイドラインでAランク(強く勧められる)の評価を受けており、全国ですばらしい臨床効果が報告されています。
薄毛の悩みは、時には人生そのものの悩みでもあります。ハゲが治ることで生きることが楽しくなるのであれば、患者さんとともに治療に全力を尽くしたいと著者はいつも考えています。
たかがハゲだが、されどハゲ。本書を通じて、薄毛に悩む一人でも多くの方が前向きに生きることに繋がれば幸いです。
【目次】
はじめに
1 ハゲ、治りますか?編
ドクターズコラム「薄毛治療の歴史」
2 薄毛治療、それって本当?編
患者体験記「ハゲからの生還:若ハゲ編」
3 通院、始めます。編
患者体験記「ハゲからの生還:遺伝への挑戦編」
4 少年ハゲやすく、育毛なりがたし。編
患者体験記「ハゲからの生還:立身出世編」
【著者プロフィール】
佐藤明男/Akio SATO
東京メモリアルクリニック・平山 院長
1957年新潟生まれ。北里大学医学部卒業後、形成外科医として研修を行う。98年、厚生省(当時)高度先進医療推進事業で英国オックスフォード大学医学部皮膚科学に客員研究員として派遣される。帰国後、東京メモリアルクリニック・平山に勤務し、2001年より院長に就任。専門は男性型脱毛症の臨床と毛髪再生医療の研究。これまで7,000人を超えるAGA(男性型脱毛症)患者を、飲む育毛剤「フィナステリド」で治療してきた実績をもつ頭髪治療の第一人者。著書に「医療的育毛革命」「なぜグリーン車にはハゲが多いのか」。