創業から30年、いまや連結売上高3兆円に届こうかという巨大企業群に成長したソフトバンクだが、創業当時から持っていた志──“情報革命で人々を幸せにする”はいまも何ひとつ変わっていない。
孫正義が目指す自律・分散・協調型の戦略的シナジーグループ=「インターネット財閥経営」のルーツは、創業当時の理念にまで遡ることができる。
ノンフィクション作家・滝田誠一郎のライフワーク「電脳のサムライたち」シリーズ第2弾に位置付けられる本書は、本人への取材を元に孫正義の半生、ソフトバンクのルーツを描いた作品(1999年初出)。さらに本書では、2010年6月の「ソフトバンク新30年ビジョン発表会」の模様を加筆した。
【目次】
プロローグ
第一章 人生は限られた時間しかない
第二章 ソフトバンク設立
第三章 孫のナンバーワン戦略
第四章 流通ビジネス事始め
第五章 草創期を支えた一〇人の大恩人
第六章 病に倒れた孫を襲う内憂外患
第七章 時代の寵児たらしめた孫の二乗の兵法
第八章 孫正義と西和彦 宿命のライバル
第九章 ソフトバンクに挑み、敗れていった徒花たち
第一〇章 AX──パソコン規格統一へ動き出す
第一一章 市場を席巻したDOS/V
第一二章 ソフトバンク成長物語
第一三章 大胆な戦略を裏打ちする緻密な計算
第一四章 三〇〇年続くインターネット財閥
エピローグ コムデックスでのビル・ゲイツのワンマンショー
【著者紹介】
滝田誠一郎
たきた・せいいちろう
ノンフィクション作家
1955年東京生まれ。青山学院大学卒業。著書に『ビッグコミック創刊物語』『長靴を履いた開高健』『電網創世記・インターネットにかけた男たちの軌跡』など多数。またジャーナリストとして雇用問題、人事問題をテーマにした取材・執筆活動も行っており、『65歳定年時代に伸びる会社』『人事制度イノベーション「脱・成果主義」への修正回答』などの著書がある。