復讐相手として憎まれている限り、お兄ちゃんが私から離れていくことはない——。
恋愛以上に切実で胸に迫る男と女の濃密な関係を、演劇界と小説界を股にかける鬼才・本谷有希子が描いた物語。
2010年10月より映画版が公開中（監督／冨永昌敬　出演／浅野忠信、美波、小池栄子、山田孝之）。二段ベッドが置かれた陰気な借家に同居する“妹”こと奈々瀬と“兄”英則。「あの日」から笑顔を見せない“兄”のため日々「出し物」のネタを考える奈々瀬と、そんな“妹”を屋根裏から覗き続ける英則を結んでいるのは「復讐」だったが……。
第10回鶴屋南北戯曲賞、第53回岸田國士戯曲賞を受賞するなど、演劇界で活躍する本谷有希子による小説。
自身が主宰・作家・演出を務める「劇団、本谷有希子」で上演した作品を、自ら小説化した。本の情報誌『ダ・ヴィンチ』（メディアファクトリー刊）での連載を経て単行本化・文庫化されている。2010年10月より、映画版が公開中（監督／冨永昌敬　出演／浅野忠信、美波、小池栄子、山田孝之）。