19歳のオレと39歳のユリ。恋とも愛ともつかぬいとしさが、オレを駆り立てた……。
「思わず嫉妬したくなる程の才能」など選考委員に絶賛された、
山崎ナオコーラの第41回文藝賞受賞作となるデビュー作。
永作博美、松山ケンイチ主演で映画化もされた33万部のベストセラー!
美術専門学校に通い油絵を勉強しているオレ。ある日、オレはそこで講師をしているユリに、絵のモデルになってくれと頼まれる。ユリは自由な感じの、生徒に人気のある先生だった。ユリのアトリエに通ううちに、オレは彼女の声やしぐさに次第に夢中になっていく。20歳も年上の彼女の、目じりのシワがかわいい。ユリには52歳の猪熊さんというダンナがいるとのことだったが、オレはなぜだか、二人はこのままずっといっしょだろうという妙な自信があった。だがユリは、オレに何も知らせないまま、突然、学校を辞めてしまって……ユリと過ごした日々を、みずみずしい文体で描く、せつなさ100%の恋愛小説。
短篇「虫歯と優しさ」も収録。
発行:河出書房新社
[著者紹介]
山崎ナオコーラ
1978年、福岡県に生まれる。2004年、会社員をしながら書いた『人のセックスを笑うな』で第41回文藝賞を受賞し、デビュー。『人のセックスを笑うな』は、芥川賞の候補作となり、また映画化されるなど様々な話題となり、33万部のベストセラーとなった。他の著書に『浮世でランチ』『カツラ美容室別室』『ここに消えない会話がある』『この世は二人組ではできあがらない』エッセイ集『指先からソーダ』など。